ハワイアンジュエリーの歴史
ハワイアンジュエリーの歴史
みなさん、こんにちは!もう夏が終わり、一気に寒さが増し、冬の近づきを感じますね。今日は結婚指輪としてもファッションジュエリーとしても人気の高いハワイアンジュエリーについてです。ハワイアンジュエリーは太さ・素材・彫り模様など自分好みにオーダーできるのでオンリーワンのジュエリーを作ることが出来ることも人気の1つです。今回は歴史を知っていただくことでよりハワイアンジュエリーのことを好きになってもらいたいなとおもいます!
ハワイアンジュエリーの起源は非常に古く、そのルーツを17世紀後半の英国に見ることが出来ます。ハワイと英国との結びつきは、後世に名を残すイギリス人の海洋探検家であるキャプテンクックのハワイ諸島上陸から始まりました。まず、最初にハワイ諸島に定着したのは、海を渡ってこの地に辿り着いたポリネシア人とされていて、その年代は紀元前500年から3世紀頃の間とする説が有力です。1788年1月、キャプテンクックがレゾリューション号、ディスカバリー号の2隻の船でハワイ諸島への初上陸を果たした当時は、アリイと呼ばれる族長が支配権を持ち、神官、職人、庶民、奴隷といった階級社会が存在していたことがわかっています。キャプテンクッックは、上官だったサンドウィッチ伯爵に因みサンドウィッチ諸島と命名しますが、カライオブウ王によって統治されていたこの地では、すでにハワイと言う名称が定着していました。その後キャプテンクックは先住民との抗争で命を落としますが、ディスカバリー号を率いていたチャールズ・クラークがイギリスへと還りつき、サンドウィッチ諸島=ハワイ諸島の発見を報告し、ハワイ諸島の存在が欧米へと知らされたのです。
ハワイ諸島を最初に統一したのはハワイ王カメハメハ1世で、外交手腕に優れたカメハメハ1世は英国との結びつきを強固にし、ハワイ王国を誕生させます。 当時の英国では、家族や友人への愛の言葉や思い出の言葉を彫り込んだ「センティメンタル・ ジュエリー」と呼ばれるゴールドジュエリーが流行していました。センティメンタル・ジュエリーは、時代を経て19世紀ヴィクトリア女王時代にふたたび流行し、女王は国賓など大切な人々へセンティメンタル・ジュエリーを贈ることを習慣としていました。最愛の夫であるアルバート王子の死後、ヴィクトリア女王は華美な貴金属や装飾品の着用を禁じ、自らも喪服で過ごしますが、唯一喪服用のビクトリアン・モーニングジュエリー(喪服用の黒いジュエリー)だけは着用を許します。その際に女王が作らせたのは、イギリスの伝統的な喪中用の衣装でもある「スクロール模様」をあしらった黒いエナメルジュエリーで、このジュエリーこそが、現在のハワイアンジュエリーの原型とされています。
英国と親密な関係にあったハワイでは、特に親交の深かったハワイ王朝第8代女王リリウオカラニ(当時はリリウ・カマカエハ大酋長)もアルバート王子の死を悼み、ハワイの言葉で永遠の想い出を意味する“ホオマナオ・マウ”という言葉を刻んだブレスレットを作らせ、一生身に着けたと言われています。このブレスレットは、1882年にカラカウア王によって建てられ、その後王位を継承した女王が1893年に退位させられるまで暮らしたとされる公邸=イオラニ宮殿で公開され、ブレスレットにインスパイヤーされた作品が、今も数多く制作されています。リリウオカラニ女王は、ホノルルのポフカイナ女学校の校長であり、宮殿での舞踏会や演奏会のプログラム作成に尽力したイギリス人の恩師、ゾーイ・アトキンソン氏に、“アロハ’オエ(あなたに愛を)” の言葉を日付と共に黒のエナメルでブレスレットに彫り込み、『ハワイアン・ブレスレット』として感謝の気持ちを込めて贈っています。当時の女学生がこの事を真似たことから、ハワイでも自分の大切な人へ言葉やモチーフを刻んだジュエリーを贈る習慣が生まれました。そして、代々伝わる家宝=ハワイアン・エアルーム・ジュエリーとして、やがてはハワイを代表する文化へと成長を遂げていくのです。
ハワイアンジュエリーのルーツを語る上で、忘れてはならないのがリリウオカラニ女王の姪にあたるカイウラニ王女です。彼女は1875年、スコットランド人の父とカラカウア王の妹リケリケの間に生まれ、カラカウア王の指示でイギリスに留学します。優雅で美しい顔立ちのカイウラニはヨーロッパ社交界の華になり、ハワイとヨーロッパの文化的な交流を 結びつける役割を果たしました。彼女が身に着けていたハワイアンジュエリーも注目を集めました。 このような長い歴史を辿り、イギリスで生まれたセンティメンタル・ジュエリーは、 森羅万象を霊的な精神世界と結びつけるハワイ独特の文化と融合し、スピリチュアル溢れるハワイアンジュエリーへと進化していきました。ヴィクトリア女王がブレスレットに 刻んだスクロール模様はハワイでは波の模様へと変化を遂げ、その歴史を今に伝えます。 ハワイアンジェリーのきっかけとなったヴィクトリア女王は、「世紀の愛」で最強の国家を 創り上げた女王としても知られています。ハワイアンジュエリーには、海の東西を超えて数世紀にわたって受け継がれてきた “人を愛する心”そして“自然を愛する心”がこめられているのです。